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新装版・名草戸畔〜古代紀国の女王伝説

新装版・名草戸畔
タイトル 新装版・名草戸畔〜古代紀国の女王伝説
著者 なかひらまい
ISBN 9784905273264
分類 単行本
判型 四六判
頁数 320p
定価 2000円+税
書店 2025年11月発売予定
Amazon 2025年11月発売予定
ECサイト 2025年11月発売予定
内容 【名草戸畔伝承とは】名草戸畔伝承とは、名草地方(現在の和歌山市と海南市)で語り継がれてきた古代の女王・名草戸畔(なぐさとべ)の伝説です。名草戸畔とは紀国(きのくに/現在の和歌山県)におよそ2千年前に実在したと思われる女性首長のことです。『日本書紀』には、ひと言だけ、「神武に殺された」と記されています。土地には、名草戸畔の遺体を、頭、胴体、足の3つに分断し、3つの神社に埋めたという伝説もあります。多くの人は、名草戸畔は神武あるいは神武軍によって、遺体を切断されたといいます。ところが名草地方では、一般的に語られていることとは違う伝承が残されていました。「名草戸畔は戦死はしたけれど、神武に殺されてはいない」。それは郷土史家・小薮繁喜さんと、海南市の「宇賀部神社(うかべじんじゃ/通称=おこべじんじゃ)」宮司家出身・小野田寛郎さんが土地の伝承や「口伝」によって伝え聞いてきた物語でした。土地に息づく伝承は、王権が作った『日本書紀』とは違う、名草の民の視点の物語でした。小薮さんと小野田さんは、幼い頃からこの伝承を聞いて育ち、自分たちを遠い昔の名草戸畔の子孫と信じて生きてきました。伝承や口伝には、史実かどうかの問題ではなく、その土地に暮らす人たちの「大切な思い」が詰まっているのです。この本では名草の人たちの思いを紐解きながら、そこから見える古代日本の風景を描いてみました。この本を通して、最後の伝承保持者の2人の心のなかにある名草戸畔に触れてもらえたら幸いです。

【新装版について】2010年12月に初版を発売してから13年の歳月が流れた23年12月、またしても不思議な出会いにより、丹敷戸畔(にしきとべ)の口伝の断片を採集しました。新装版では、丹敷戸畔についての原稿を少しだけ加筆し、発行させていただきます。文書に書かれることなく、口伝により残されてきた「生きた伝承」を末永く世に伝えていくことができれば幸いです。
目次 第一章 謎の女王と里の伝承
プロローグ/旅のはじまり/物語を探せ/名草戸畔の基礎知識 /遺体を切断された名草戸畔/名草王國の盛衰 /名草の里へ/伝説の神社/名草山の奇跡/小薮繁喜氏と名草戸畔 /演劇「名草戸畔」/名草山と中言神社/「小薮台本」は伝承か、創作か?/名草戸畔は男か? 女か?/名草戸畔研究の限界

第二章 小野田寛郎氏が語る名草戸畔伝承
プロローグ/小野田寛郎氏と名草戸畔/神武東征のあらまし/小野田寛郎氏インタビュー/口伝に残された庶民の歴史/全国各地に残された口伝/小野田家と宇賀部神社の歴史/名草戸畔の足跡~そのはじまり/名草戸畔、木国から紀国へ/出雲族との融合/イタケルとの融合/神武軍との戦い/熊野へ進軍した神武軍とその後のヤタガラス ナガスネヒコの終焉と紀氏の台頭/『日本書紀』の成立と名草戸畔/名草戸畔の死と生/名草戸畔年表/丹敷戸畔(にしきとべ)の口伝の断片

第三章 名草戸畔としあわせの女王
プロローグ/「小野田口伝」の地を訪ねて/名草の山信仰/名草戸畔と楠信仰/名草戸畔と竜蛇信仰/名草戸畔と祖霊信仰/名草戸畔は生きている /名草戸畔 顛末記/名草戸畔伝承から見えてきたこと(増補改訂版より収録)/付録1〜演劇『名草戸畔』台本(増補改訂版)/付録2〜紀氏関連の系図
著者紹介 作家/イラストレーター/ユング心理学研究会理事/多摩美術家協会会員。2005年2月『スプーと死者の森のおばあちゃん〜スプーの日記〜』(トランスビュー)で作家デビュー。以後シリーズ3部作を発表。2010年12月、和歌山の伝承研究本『名草戸畔 古代紀国の女王伝説』(スタジオ・エム・オー・ジー)を発表。2018年11月には増補改訂3版をリリース。2019年11月、毎日新聞大阪本社版にて連載していた童話『貝がらの森』(スタジオ・エム・オー・ジー)を加筆修正して出版。2021年10月『波の地図』(雷鳥社)原田佳夏氏と共著で出版。現在、創作童話『宙の猫島』を毎月ウェブ連載中。https://note.com/7cats/


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